水木しげると調布あれこれ

※ このページは2011年時点の情報を元に編集したものです。

■天神通り商店街のモニュメント

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入り口の鬼太郎

 調布駅北口を降りて1分?天神通り商店街南側入り口の街灯に腰掛けた鬼太郎が見下ろしている。 この街灯の柱には、なんと、調布を異常気象が襲った『朧車(おぼろぐるま)』の1コマが描かれています。

また、すぐ左側、眼の高さに「目玉おやじを手に乗せた鬼太郎」があり、ここで記念写真を撮る人も多い。歩を進めると、「横たわるねずみ男」(左側)「一反木綿に乗ったねこ娘」(右側)「切り株に座るぬりかべ」(左側:かっては「子泣き爺」だった)、国道20号線出口付近に「頭に目玉おやじを乗せた鬼太郎」(右側)がある。 街灯の鬼太郎は出口(北側の入り口)にもいる。現在でも、水木しげるさんは、この通りを散歩しています。



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「ぬくもり」の幟と鬼太郎

「天神ストリート」には、なくなった電柱の替わりに地上にトランスボックスが設置されました。 そんな時、森田さんは日本一周の船旅に出た折、境港にも立ち寄り“水木しげるロード”を見物しました。 水木しげるが、永年の調布住民なので「天神ストリート」にもトランスの上に妖怪キャラクターを設置したらどうかと思いつき、帰京後すぐに滝田理事長にお話し賛同を得ました。
 ほぼ、同じ時期に市役所の方からも同様な話がありました。 そんな折、なぜか、この構想段階で読売新聞にすっぱ抜かれたこともあり、“なんで、わざわざ幽霊の街にするの?”などと反対を唱える人もあり、調整に苦労されたようです。 (当初のプランでは、布多天神の参道なのだから、と入り口に赤い鳥居を建造することになっていましたが、これも反対に逢い没となりました)
今となっては、この地域の名所にもなっていて、子どもをならべて記念写真を撮っているような風景を良く見かけます。



残念なことは、この通りの店舗の入れ替えが激しく、50店舗の内、平成3年以来残っているのは、
パン屋、洋品店、お茶屋、時計店、おもちゃ屋、とんかつ屋、すし屋など一桁で、入れ替わりのたびに店舗がリフォームされ、昔ながらのぬくもりのある趣が、うすれていることです。



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一反木綿に乗るねこ娘

これらのモニュメントが、どんないきさつで生まれたか、新聞記事、市報ほかの地域資料、関係者へのインタビューなどを通じて調べてみました。



 天神通りのモニュメント制作の礎となったのが、1991(平成3)年のモール化事業でした。

この年3月5日号の『市報ちょうふ』は、このように伝えています。
“天神通りが生まれ変わりました~路面のカラー舗装や新しい街路灯、放送設備、シンボルアーチなど~” この時電線類の地下埋設もあわせて行い、「天神ストリート」として生まれ変わりました。 この時、東京都と調布市で7,000万円拠出、残りの3,000万円を天神通り商店街協同組合が負担することに決定、テナント一店舗あたり50万円集めることになり、当時の滝田理事長(和菓子処たきた)、会計責任者の森田さん(菊川園)は大変ご苦労されたようです。また、地下埋設工事は、東京電力、東京ガス、NTTの全面協力も得て行われましたが、これらの協力企業と役所の調整などにも奔走された模様。

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鬼太郎グッズもならぶお茶屋さん

余談:水木しげるさんは、大の甘いもの、果物好き、滝田さんのお店、“たきた”の和菓子屋さんではいつも大福を買って行ったそうです。滝田さんは、今回の『ゲゲゲの女房』が決まる前に“ゲゲゲの鬼太郎跳び出すおしるこ”を創り、インターネット販売を企画し、商標登録まで進めましたが体調を壊され断念、今のブームを目の当たりにして残念がっていました。

■『ゲゲゲの女房』~本とテレビドラマ~

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 「ゲゲゲの鬼太郎」でおなじみの水木しげるさん(調布市の名誉市民でもあります)の奥様、武良布枝さんが、旦那さまとの半生をふりかえりながら綴った本に『ゲゲゲの女房-人生は…終わりよければ、すべてよし!!-』(実業之日本社)があります。


結婚当初の極貧の時代をふくめ、奥様の目線で語られているのが特徴です。 そこから、意外な水木しげる像が浮かんだりします。


この本を原案とした、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』が平成22年3月29日から放送されています。 先日、深大寺など市内でのロケも数回に及びました。番組の各回最後には、市民から集めた調布の風景の写真が放映されています。
(調布市観光協会のホームページから、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」ラスト5秒写真集を見ることができます。)

ご夫妻の生活風景とともに、この時代の調布のまちが、どのように描き出されるのか,興味は尽きません。

■調布と近藤勇と水木しげる

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 水木さんは、“調布に住み始めたころ、近くを散歩するのが楽しみだった”、とのことで、近藤勇の生誕の地やお墓などとも遭遇しました。


近藤勇に関しては、
『劇画近藤勇-星をつかみそこねる男-』(筑摩書房)に丁寧に描いています。


武蔵国多摩郡上石原村に生まれ天然理心流剣術道場・試衛館に入門、近藤家の養子となり、近藤勇を名乗り、後に新選組局長として池田屋事件など主に京都で活躍、戊辰戦争のあと江戸に戻った。その後、甲陽鎮撫隊を再編し甲府へ出陣したが、新政府軍に敗れて敗走し、板橋刑場で斬首されるまでを比較的淡々と描いている。



 調布が登場するのは最初(『劇画近藤勇-星をつかみそこねる男-』(筑摩書房)P6:生れ故郷として)と最後の方で、甲陽鎮撫隊として甲府へ向け出陣した折に立ち寄りふるさとに錦を飾った(?)、華々しい、芸者総揚げ宴会場面(P:441)。 板橋刑場で斬首されるおりには、「ありゃあ調布在の百姓で」、などと言われている(P:523)。 最後に近藤の首なし遺体が竜源寺へ埋蔵された。(P:546)

<参考資料>

『劇画近藤勇-星をつかみそこねる男-』(筑摩書房)
【蔵書検索】

■図書館だよりの表紙画

 昭和63年7月15日発行の図書館だより、NO128から「調布を描く」が始まり、以降シリーズ
最後のNO156迄、7年間にわたって調布の風景を描き続けて下さいました。

発行の頃を見計らって、わざわざ群馬から図書館だよりをもらいにこられる熱烈なフアンもいました。
現在も「鬼太郎」の図書館だより、の顔として表紙を飾り続けています。

内容は、深大寺山門、実篤公園と記念館、布多天神社、マラソン(東京オリンピック)
折り返し点、冬の調布駅、除夜の鐘、清掃車とねずみ男、花火と多摩川、図書館とコンピューター、近藤勇と調布、初詣、小さな駅(布田駅)、昔の調布銀座、深大寺参道、祇園寺、のどかな門前、調布駅北口、(妖怪)おとろし、けうけげん、こなきじじい・すなかけばばあ・ねこむすめ、鬼太郎と仲間たち
などが表紙を飾りました。

他に「屋根の上の鬼太郎」「路地裏の鬼太郎」「たそがれの鬼太郎」があります。
我が町の、どの場所から、どんなイメージで描かれているか?ご覧になって、想いをはせて下さい
(図書館だより表紙絵は、調布市中立央図書館5階 水木しげるコーナーにあります)。

■鬼太郎茶屋

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 2003年10月にオープンしました。「ゲゲゲの鬼太郎」物語の根底に流れるテーマは、自然との共生です。

人や妖怪だけでなく、動物や木々の草花たち地球に存在するすべての生物との共存が表現されています。
これを、市民の皆さんに緑深く、自然に囲まれた名刹、深大寺門前で体験して頂きたく
営業しています。

1階の"食"は、妖怪喫茶コーナーで・・・・目玉おやじの栗ぜんざい、ぬり壁の味噌おでん、妖怪抹茶セット等。

"物"は、妖怪グッズが所狭しと並べられ、懐かしい駄菓子屋の雰囲気です。


 2階の"妖"は、妖怪ギャラリー・・・100体以上のフイギュアが妖怪世界を感じさせます。

水木さんの貴重な原画も展示してあります。


"癒"は、いやしのデッキ・・・目の前は亀島弁財天池で周りは、うっそうと生い茂る緑の木々が、満喫できます。

 店長の金城史朗さんは、「妖怪舎」(本部は米子。主に妖怪のキャラクターグッズを取り扱う会社)の福岡店に勤務されており,鬼太郎茶屋開店と同時に調布に転勤され,運営に携わってこられました。2階の展示は水木プロさんの協力で行われています。

出身は沖縄で、9名のスタッフと、水木さんの明るく、人間味豊かなお人柄にひかれ、皆さん、生き生きと働いておられます。

開店のエピソードとしては、店舗(蕎麦屋)の持ち主であった“時雨茶屋“の店主が、蕎麦屋を閉店するが、この建物を生かしたいと考え、各方面に働きかけた結果、水木プロさんの協力を得て、鬼太郎茶屋を開店することにより、建物と深大寺の自然を生かせると考えて、出店に至ったとの事です。

店長さんは、深大寺・そば組合の皆さんと一緒になって、深大寺地区の発展の為に、活動しています。

■調布市名誉市民

 調布市には、昭和34年から居住し、この間、図書館だよりの表紙絵への原画提供など貢献して頂きました。又、市内を走るミニバスの車体に描かれた鬼太郎や、天神通りの商店街のモニュメント、深大寺の鬼太郎茶屋等が多くの市民に親しまれています。

このように漫画を通しての、調布市への貢献や、文化の興隆、更には、多くの市民から愛され、親しみをもって受けとめられている事から、名誉市民になられました。

名誉市民になられた方は、昭和55年元市長の本多嘉一郎さん以来お二人目です。

・・・・メダル推戴状の写真添付、及び顕彰式の写真を添付。

本人の感想、

平成12年3月6日市議会議場で行われた、顕彰式で、水木さんは、「うれしいと言わざるをえないし、悲しいといえないですな、まあ、ありがとうございましたいう事で終わりでございます」コメントされ、場内笑いの渦となりました。

又、記者会見も「これからは勲章をもらったような歩き方をしなきゃならんし、表情もそれなりにしないと、苦心しています。悩みのタネが増えました」と、やはりユーモアのあるコメントをされました。


詳しくは、『市報ちょうふ2008年3月25日名誉市民特集号』をご覧下さい。

■コミュニティ・バス

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 コミュニティバスに、鬼太郎とその仲間たちが描かれ、市内を走っています。
平成15年の東路線が最初です。現在は、すべての路線で描かれています。







































鬼太郎バス(東路線・西路線・北路線)
路線名 運行開始日 運行業者名運行区間運行便数(平日)
西路線 平12年3月21日 京王バス東(株) 調布駅南口~飛田給駅北口 27便
東路線 平15年4月1日 小田急バス(株) 仙川駅~緑が丘~仙川駅(循環) 36便
北路線 平18年10月10日 京王バス(株) 調布駅北口~柴崎折返場 26便

■映画『妖怪大戦争』

 何と水木しげるさんが(妖怪世界の頂点に立つ翁として)"妖怪大翁"(ようかいだいおう)の役で出演されています。映画『妖怪大戦争』は、人々を救うという勇者"麒麟送子"(きりんそうし)に選ばれた10才の少年タダシのひと夏の冒険を描いた物語です。



詳しくは、『怪 19号 妖怪大戦争公式ガイド』(角川書店 2005年7月25日)をご覧下さい。

調布の絵葉書、カレンダー、防犯ポスターなど

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地域を見守る鬼太郎と仲間たち

・地域を見守るみんなの目(調布市HPより)


 調布市青少年問題協議会では,ミニバスでも市民に親しまれているゲゲゲの鬼太郎をキャラクターとした「地域を見守るみんなの目」のポスターとステッカーを作成しました。
 これは,地域で子どもたちを見守り,また,地域で目を光らせることによる抑止力により,防犯,防災に強いまちづくりを啓発していくことを目的とし,市内在住の漫画家,水木しげる氏に協力いただき,鬼太郎や目玉のおやじなどのキャラクターをデザインして作成したものです。
市内保育園,幼稚園,小・中学校,公共施設,鬼太郎のモニュメントがある天神通り商店街,深大寺そば組合等で鬼太郎が見守ります。(2007年 7月 3日 更新)

調布市と水木しげるさんのコラボレーション

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資 料 名 / 回数・発行年

調布ふるさとまつりポスター 第22回

地域を見守るみんなの目ポスター

第54回調布市商工まつり 2009年

エコバック(目玉おやじ)

エコバック(鬼太郎)

ゲゲゲの鬼太郎ポストカード

図書館だより

「調布消防」132号 2009年年11月

上布田ご縁の市チラシ 2009年

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調布プレミアム商品券チラシ 2009年

ちょうふ・とーくN0.2 1981年

バスカード(小田急バス) 2005年

パスネット(京王電鉄) 2005年

携帯灰皿(目玉おやじ) 2009年

のぼり(目玉おやじ) 2009年

調布 ふるさと散歩 2011年

ORAGA 第3号 1992年

50%の本 1975年

水木しげる「調布を描く」2010カレンダー 2009年

ゲゲゲの鬼太郎特別住民票 2010年